突然、妹から「〇〇(ぬるの義弟)がさ、剛毛だからって将来のために介護脱毛しようとしてるんだけど…どう思う?」と相談されました。
え、介護脱毛って何?
私はその言葉すら知りませんでした。こんなに若い子で、もう介護の心配してるの?と不安すら覚えました。
この記事では、介護歴14年の私が昨今話題となっている【介護脱毛】について介護士の視点で語ります。
介護脱毛とは
介護脱毛とは、『将来自分が介護を受ける立場になったとき、排泄時の拭き取りなど介護者に負担をかけないように、あらかじめデリケートゾーンを脱毛しておく』というものです。
そもそも誰が言い出したの?
医療脱毛専門院【リゼクリニック】が命名しました。
「自分の老後を見据えて、アンダーヘア脱毛を希望される40代以上の患者さまが最近増えている――。」
引用:リゼクリニック
2016年の秋口、スタッフからの声をきっかけにご契約をされた45歳以上の女性患者さまの件数を調べたところ、実際に右肩上がりでミドル世代の来院人数が伸びていることが分かりました。
当院ではこの点に着目し、アンケート調査を実施し、結果をもとに老後の介護に備えて脱毛をしておく行動を『介護脱毛』と命名。
2017年1月18日にプレスリリースとしてまとめ、メディアへ発表したのが『介護脱毛』誕生のきっかけです。
介護脱毛のメリット・デメリット
それでは介護脱毛のメリット・デメリットをそれぞれ見ていきましょう。
陰毛があると、そこに便が絡まった際、きれいに拭き取るのに時間がかかりますし。うまく拭き取れていなかった場合は皮膚トラブルの原因にもなります。
陰毛がないことでそのような介助者の手間も減り、陰部を清潔に保ちやすくなります。
介護脱毛は自由診療となるため、保険は利用できず全額自己負担です。
リゼクリニックではVIO脱毛5回コースで81,600円となっています。
レーザー脱毛は、メラニン色素に吸収される波長のレーザーを照射して毛根を破壊するため、白髪には脱毛効果がありません。そのため、脱毛を検討している方は白髪になる前に施術する必要があります。
VIOは皮膚が薄く、神経や血管が集中している場所なので痛みが強いです。ですが、笑気麻酔や表面麻酔でいくらか痛みを軽減させることは可能です。
現役介護士は介護脱毛の必要性を感じている?
結論から申し上げますと、必要ないです。
私の職場、介護仲間は私同様にそもそも【介護脱毛】という言葉自体を知らない人がほとんどでした。
「介護者に申し訳ないから…」と、自分のためではなく相手のために介護脱毛する必要はないと考えます。
介護士は介護のプロです。どんな剛毛の利用者様でも陰部をキレイにしてみせます。清潔を保てていれば皮膚トラブルだって起こりません。毛がある、ないでやることは変わりませんので、その点は全く気にする必要はないです。
ですがその介助者が家族となると、どうでしょう。
毛がないと確かに介助が楽だと思います。「介助者である家族のため」という理由ならば私でも納得できてしまいます。
それでも、介助が必要になった人の多くは、介護サービスを利用するのですから「介護者のため」にあえて介護脱毛することはないと私は思います。
将来の介護の心配をするよりも、そもそも介助が必要な体にならないように、今現在のあなたの健康を管理することの方がよっぽど有意義です。
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