全国学力テストで立て続けに1位を獲得している秋田県。
そのなかでもトップクラスの学力を誇るのが、人口たった2600人の東成瀬村だということをご存じでしたか?
東成瀬村は村の93%が山林に囲まれ、塾も本屋もない村なんだとか。現在は世界中からほぼ毎日のように教育視察団が訪れるそうです。
学習する環境や設備が整っている、というのなら納得できるのですが、スーパーも塾も本屋もない環境で1位を取るとはどうなっているのでしょうか。
今回は東成瀬村の学習方法について解説していきます。
【東成瀬式】授業がすごい
東成瀬村が学力テストで1位を取り続けている理由が、自主学習です。
東成瀬式という形式が使われて、自分で学んで、自分で学習できるノートの作り方をしています。
構造的な授業ノート
45分の授業をノート1見開き(2ページ分)で完結させます。半ページだけとか、3ページになることはしません。先生方が、必ず見開きで完成するように板書します。
子どもたちは授業を受けて、板書を写していくだけで構造的な授業ノートが完成します。
- 問題
- 予想・考え
- 課題
- 検証
- 結果
- まとめ
- 振り返り
先生があらかじめ、問題文や図形をカラーコピーしてノートにそのまま貼り付けられる教材を準備しています。
クラス全員が参加する授業
引用:全国町村会
授業で挙手をする子は答えが分かる人だけ…ではないのです!
全員が手を挙げられるように6種類のハンドサインが使われています。「こまった」「なっとく」「つけたし」「同じ」「別の考え」「意見」
「こまった」サインがあるのは良いですね。授業での居場所作りになるし、わからなくても手を挙げられます。まさに全員が参加する授業です!
【東成瀬式】家庭で使う学習ノートの使い方がすごい
家に帰ってから行う学習ノートの使い方もきまりがあります。
- 学校から帰ったらすぐ始める
- 時間ややることを自分で決める
- テレビを消して、集中してやる
- 姿勢や鉛筆の持ち方に気を付ける
- 日付を必ず書く
- 取り組む内容を書く(ドリルの番号など)
- 取り組んだ時刻・時間を書く(〇時〇分~〇時〇分)
- めあてで弱点を克服する(どういう風にこの課題に取り組むのか)
- 振り返りで次につなげる(めあてに対してどこまで自分が達成できたか)
毎日先生から励ましのコメントがあります。
本当に先生方が子どもたち一人ひとりと向き合っているのが伝わりますね。一緒に学ぶ姿勢と、叱るのではなく、まずは褒めてアドバイスをする。当たり前のことですが、徹底して続けることがどれだけ難しいことか…。これだけやってくれる学校はきっと他にないです。
村全体で子どもたちを育てている
東成瀬村では学校・家庭・地域が一体となって教育しています。
図書館
読書にも力を入れていて、毎朝10分の読書の時間を作っています。小学校と図書館が隣接していて、放課後はほとんどの生徒が図書館で過ごします。
年間の図書費は、全国平均の約4倍です!
授業参観への参加率120%
「子どもは宝」という信念のもと、祖父母もおじ、おばの参加も当然です。
ちなみに、3世代同居が7割以上だそうです。
まとめ
- 授業ノートは見開きで完結。構造的なノートで復習しやすい
- 授業は全員挙手できるようにハンドサインがある
- 自主学習ノートにもルールがある
- 読書する環境が整っている
- 村全体で子どもたちの教育をしている
小学校から中学校までの9年間、【東成瀬式】の教育方針が一貫して行われています。ルールがしっかり決まっているから、先生や学年によってやり方が違う、ということは起こりません。
今回ご紹介した内容は『「学力日本一!」 秋田県東成瀬村のすごい学習法』のものです。
実際に子どもたちが活用したノートの写真が載っていたり、家庭でできる東成瀬式学習法なども載っているので、気になる方は是非読んでみてください。
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