先日、PCのフォルダ整理をしていたら「通夜」「告別式」というファイルが出てきました。
私の父は2年前に61歳でこの世を去りました。
不謹慎ですが、父が癌になり、もう長くないと悟った時「もし父が亡くなったら、母親と私で喪主をやるだろうな」とふと思ったのです。
出てきたファイルは、喪主の挨拶文でした。
初めて喪主又は葬儀を執り行った平均年齢は「50.8歳」
引用:PR TIMES
私も、こんなに早く喪主を務めることになるとは思っていませんでした。30代前半ですよ…。もっと長生きしてほしかったなぁ。
この記事では、次のようなことが分かります。
- 喪主が挨拶する時はいつ?
- 挨拶で気を付けなければいけないことは?
- どんな挨拶をした?
今回は、恥ずかしながら私が実際に挨拶した文章をそのままご紹介します。私自身の備忘録として残したいと思います。
急に喪主を務めることになり、挨拶文で困っている方の参考になれば嬉しいです。
喪主は複数人でOK!
まず我が家の情報をお伝えしないといけませんね。
- 会社を経営していたので一般葬で執り行った
- 喪主は3人(母、私、義弟)
- コロナ禍だったので精進落としはなし
喪主が3人!?と驚かれたのではないでしょうか。
私も驚きました…。2人はよく聞きますが3人って珍しいですよね。
これは伯父の助言です。
実家のすぐ近くに妹夫婦が家を建てたので、「ご近所の方に顔を覚えてもらうためにお前(妹の旦那)も喪主をやった方がいい」と。ド田舎ですからね、ご近所付き合い大事です。
お婿に来てもらって、すぐにこんな重大な任務をお願いしてしまい本当に申し訳なかったです。義弟は快く引き受けてくれました。
コロナ禍での一般葬の流れ
- 死亡確認後、葬儀センター・寺院に連絡
- 葬儀の日程、プランなどの打ち合わせ
- 関係者へ連絡
- 通夜
- 出棺
- 火葬
- 告別式
本来なら、④の後に通夜ぶるまいが、⑦の後に精進落としがあります。
火葬場へ同行する人も10人までと決められていました。
告別式も、会場が密にならないように葬儀センターのスタッフの方が会場内でも外でも列を作らせて対応していました。200名以上の方が参列されましたが、最後までその会場に居られたのは、親族と親しい間柄の人たちの30名程だけでした。
喪主が挨拶する時はいつ?
コロナ禍での喪主挨拶は3回でした。
- 通夜後
- 出棺時
- 告別式後
もし、通常時なら通夜ぶるまいと精進落としの際にも挨拶しなければなりません。
喪主が3人居れば挨拶も負担も1/3です。義弟が通夜後、私が出棺時、母が告別式後に挨拶をしました。
私が準備していたものは通夜用と告別式用。
とりあえず、ご近所さんがお見送りに来て下さるはずなので告別式用に作ったものを、通夜の後に感じたことも含め、少し手直しして使用しました。
喪主の挨拶で気を付けること【マナー】
私が挨拶文を考えるのに意識したことは以下の5点です。
- 参列者への感謝
- 故人の性格やエピソード
- 自分の気持ち
- 故人への感謝
- 遺族の今後の指導のお願い
挨拶で忌み言葉や重ね言葉を使ってはいけません。
以下の言葉は「縁起が悪い」「不幸が重なる」と言われています。
- 死亡
- 消える
- 死ぬ
- 迷う
- 重ね重ね
- たびたび
- ますます
- くれぐれも
私個人としては、こういう言葉は気にしないけどな…。
参列者だって「こいつ重ね言葉使ってる!マナーの知らない奴!」なんて、こんな時まで思わないはず。ですが一応マナーがあるようです。
挨拶をする時に意識したことは以下の3点です。
- 紙に書いたものをそのまま読む
- ゆっくりと大きな声で話す
- うまくやろうとしない
カンペをそのまま読んでいいんですよ!これがあるだけで緊張で頭が真っ白になったとしても、なんとかなります。
そして一番大事なのは、うまくやろうとしないこと。初めてだし、人前で挨拶なんて、慣れている人の方が少ないですよね。失敗したって噛んだっていい。自分の気持ちを伝えられれば大丈夫です。
初めての喪主でどんな挨拶をした?
最後に私がどんな挨拶をしたのかご紹介します。
先程も申し上げた通り、私が挨拶したのは出棺時です。
実際に挨拶していませんが、通夜用の挨拶がこちらです。
本日はご多用の中、父〇〇の通夜式にご足労いただきまして、誠にありがとうございます。こんなにも親しくしてくださった皆様にお見送りしていただいて、父もさぞかし喜んでいることと存じます。
父は2020年1月に肺がんと診断され、闘病生活がはじまりました。
希望を捨てず、陽子線、抗がん剤治療と、つらい治療に耐えていたのですが、リンパや胃にまで転移してしまい、願い届かず〇月〇日、〇時〇分に息を引き取りました。61歳でした。
まだまだ長生きしてほしかった、という気持ちは強くありますが、病院に泊まり込みで看病していた母の支えもあり、日本酒で作ったかき氷を食べさせてもらったりと、最期まで父らしく生きることができたと感じております。
皆様におかれましては、生前いただいたご厚意に、深く感謝を申し上げます。
なお、明日の葬儀は○○時より○○で執り行いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。
そしてこちらが、告別式用だったものを手直しして出棺用にした挨拶です。
長女の○○でございます。
本日はお忙しいところを、父○○のためにお見送りをいただき誠にありがとうございました。
こんなに仲の良かった皆様に見送っていただいて、父もさぞかし喜んでいることと思います。故人に代わって御礼申し上げます。
生前中は皆様にご厚誼を頂戴し、誠にありがとうございました。
昨日の通夜で大勢の方から「いい奴だったんだ」「本当にお世話になったんだ」とお声を掛けてくださり、人とのつながりを何よりも大切にしていた父の偉大さを強く感じました。
私から見た父は、仕事に対してはとても真面目で厳しく、休日でもお客様から依頼があれば、それがたとえ小さなことであっても、すぐに駆け付けるような人でした。
生前働いてばかりで、私が「少しはお母さんと旅行でも行って来たら?」と言うと、「今はありがたいことにこうやってお仕事もらっているんだから。俺が年取って仕事辞めたら、お母さんとたくさん旅行に行くよ。また新婚旅行で行った、オーストラリアに行きたいなぁ。でもお母さんは日本旅行の方が喜ぶかな」と話していました。それがもう叶わないことが本当に残念です。
入院中、父に「俺が死んだら、お母さんをいろんな所に連れて行ってあげて。自分のことは後回しで我慢する人だから…。お前だったら連れ出してくれる」と託されました。
その時は「それはお父さんの役目だよ」と答えましたが、今は「まかせて!」と伝えておきます。
お父さん、もっと素敵な場所、美味しいもの、私達のこと、見せたいものがたくさんありました。とても悲しいですが、あなたからもらったものを宝物にして、家族で支え合って生きていきます。
皆様にはどうか、今までと変わらないお付き合いとご指導をよろしくお願いいたします。
本日は誠にありがとうございました。
…すっごい恥ずかしい。
あなたの今後の参考になれば嬉しいです。